普段の生活に欠かせない暦。日常つかわれているカレンダーは太陽の動きを元にした「太陽暦」に基づいて作られました。1872年より使われるようになり「新暦」と呼ばれています。
太陽暦以前は「旧暦」と呼ばれる「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」が用いられてきました。陰とは月のことで、月と太陽の動きを両方取り入れた高度な暦です。
日本には7世紀の飛鳥時代に中国から伝わり、季節の移り変わりを知るものとして取り入れられてきました。
今回は、二十四節気の春/夏をご案内してまいります。
日本のこよみ 春
二十四節気では一年のはじまりです。「立春」とは、冬と春の分かれ目の日のこと。春風が吹いて雪解けの土の中から山菜が顔をのぞかせ、まだ寒い早春に梅は花を咲かせます。立春を過ぎて一番最初に吹く南寄りの強い風が「春一番」です。
おすすめの手ぬぐい ▶ 紅白梅/豆大福/ふくらうぐいす
雪が雨に変わり、雪解けがはじまるころ。暖かな雨で大地がうるおい、やわらぐ日差しのもと草木が芽吹き出します。冬の間に蓄えていた生命が外に現れる季節です。昔から農耕の準備をはじめる目安とされてきました。
おすすめの手ぬぐい ▶ 山菜づくし/おひな菓子/新芽小紋
大地があたたまり、陽気に誘われた土の中の虫たちが動きはじめる頃。
春雷がとどろき、冬眠中の動物たちも目を覚まします。桃のつぼみがほころび、花が咲きはじめます。万葉のころには花が咲くことを「花笑む(はなえむ)」と表現していました。
おすすめの手ぬぐい ▶ 野の花/ごろごろ熊/群れめだか
太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。昼と夜の長さが等しくなり、春分を境に過ごしやすい季節になっていきます。桜が花が咲き始め、お花見も待ち遠しい頃です。
おすすめの手ぬぐい ▶ 菜の花づくし/おぼろ桜/染井吉野
全てのものが清らかで生き生きとるする頃。草花が咲き誇り、蝶が舞い、空が晴れ渡り、命が輝く季節がやってきます。江戸っ子の好物であった鰹は年に2回の旬があり、春は「初ガツオ」と呼ばれ親しまれてきました。
おすすめの手ぬぐい ▶ 青空つばめ/春野菜づくし/カルガモ親子
たくさんの穀物をうるおす雨がふるころ。あらゆる生き物の成長を助ける雨が降ります。八十八夜は、立春から数えて八十八日目の夜のことで、茶摘みや田植えをする時期です。八十八夜が過ぎると初夏がはじまります。
おすすめの手ぬぐい ▶ 筍ならべ/米小紋/菖蒲に兜
日本のこよみ 夏
ここから季節が夏に移り変わります。
春分と夏至のちょうど間の日で、この頃から夏の気配を感じられるようになります。田んぼのカエルが鳴きはじめ、そよぐ風が心地よい五月晴れが続きます。
おすすめの手ぬぐい ▶ カエル/鯉の滝登り/藤丸紋
麦の穂が育ち、草木が実をつけはじめ、万物がしだいに満ちてくる頃です。太陽の光を浴びてすくすくと成長していきます。現在では6月1日に衣替えを行うことが一般的ですが、平安時代の宮中で旧暦の4月1日に装束の入れ替えをしていた風習の名残りです。
おすすめの手ぬぐい ▶ 新緑/さくらんぼ畑/枝豆ちらし
穂の出る植物の種を撒く頃。稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)といいます。梅の実が色づきはじめ、しとしと降る梅雨(つゆ)が田畑をうるおす雨の季節がやってきます。
おすすめの手ぬぐい ▶ 青梅/香辛料/てるてる坊主
一年で最も昼間が長く、夜が短い日のこと。夏至を境に日の当たる時間が短くなる一方で、日ごとに暑さが増して夏の盛りに向かっていきます。6月に釣りが解禁となる鮎は、夏が旬。季節を楽しませてくれるご馳走です。
おすすめの手ぬぐい ▶ 鮎/おくら/額装 蛍
梅雨が明けて本格的な夏が訪れます。小暑から立秋を迎えるまでが、暑中見舞いをおくる時期です。お世話になっている方や親しい友人へ、暑さを労う便りを届けましょう。
おすすめの手ぬぐい ▶ 蓮池に金魚/天の川ぼかし/とうもろこし
もっとも暑い真夏の頃のこと。各地で祭りや花火大会など、夏の行事が盛んに行われます。暑い盛りに夏バテしないよう、土用の丑の日にはウナギをはじめとして、力の付くものを食べる習慣が広まりました。
近年は夏が長くなっていますが、大暑を過ぎると暦の上では秋がやってきます。
おすすめの手ぬぐい ▶ 宵花火ぼかし/そうめん縞/すいか
いまでも旧暦に基づいた行事や習わしなどが受け継がれています。自然によりそい、美しい日本の四季を楽しみましょう。二十四節気 秋・冬編は、6月頃にご紹介いたします。
次回、更新予定は3月5日(火)です。