目にも涼しい青のてぬぐい。
かまわぬでは様々な文様を青色で染めてきました。
藍色、紺、瑠璃色、空色、群青…
日本の伝統色には「青」のバリエーションが数多く存在します。
たくさんの青が生み出された背景をひも解いてみましょう。
■藍染め
藍は人類最古の染料とも言われ、日本に伝来したのはおよそ1500年前。
鎌倉時代には、武士たちが鎧の下に藍を身に着けていたと言われています。
藍には殺菌効果や止血の効果もあることと、一番濃い藍色(紺色)を「褐色 かちいろ」=「勝ち色」と呼び、縁起の良い色として好まれました。
最も盛んになるのは江戸時代。庶民の着物からのれんやのぼりまで、あらゆるものが藍で染められていきます。
■奢侈禁止令
江戸時代後期、幕府は奢侈禁止令(しゃしきんしれい)、いわゆる贅沢禁止法を発令し、どんな身分であっても贅沢な着物を着てはいけないとされました。素材は麻・綿、染め色も派手なものは禁止され茶色・鼠色・藍色の「お構いなしの色」に限られていきます。
厳しく規制されながらも、人とは違うものを身に着けたい。そこで江戸の職人たちは微妙に異なる色調を生み出していきます。
ちなみに、このとき派手な模様も規制され発祥したのが「江戸小紋柄」です。小紋についてはまたの機会に。
四十八茶百鼠、藍四十八色といわれるほどの色が生み出され、藍はわずかに青みを帯びた白から黒に近い藍色まで様々な色が作られていきます。明治初期に来日した英国化学者のアトキンソンに「ジャパン・ブルー」と名付けられたほど、日本の暮らしに根付いていました。
明治時代に入ると、色の定着の良いインディゴや化学染料も使われ始めます。
藍から多彩な青へかたちを変えつつも、清潔感のある青色は今でも日本の暮らしに欠かせないものとなっています。
粋な青色は、てぬぐいのスタンダードであり、はじめての1枚にもおすすめの色です。
一年を通してどんなシーンにもよく馴染みます。
お気に入りの“青”を見つけてみませんか。
次回更新は、9月1日(木)予定です。